じゃ、いよいよ、月の出番だ。
月はその時々で、まんまるの満月になったり、半月になったり細い三日月になったり、いろんな形に見えるね?
何故だろう? これは簡単。身体とアタマを使って、次のようにやってみれば、すぐわかる。
腕を前に伸ばして、大きめのまんまるのボール(白いとなお良し)を手に持つ。
そして、そのままの体勢でぐるぐる廻ってみよう。もちろん、左回りに!
このボールは、もちろんお月さま。
灯りは電気スタンド一個しかないから、ボールのお月さまには、いつも同じ側しか光が当たらない。ちょうど、ボールの電気スタンド側の半分だけが明るく照らされているはずだ。
それを横から見れば、ボールはその片側だけ、灯りの側だけが明るく見える。
光を背にすれば、ボールの明るい側だけが見える。
ぐるぐる回ってみると、その時々で、月の明るい面を、正面や真横から、またナナメやその反対や裏から見ることになって、三日月の形や半月、満月といろいろな形に見えるだろ?
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ただし今回は、月の代わりのボールを手に持ってぐるぐるまわり、いろいろな角度から見てみたわけだけれども、そんなふうに一日のうちに、三日月やら半月やら満月がいろいろ見えるわけはないよね。
地球から見れば、太陽も月も動いて(廻って)見えるわけだけれど、その動き方は一日で一回転しちゃう地球の廻り方のほうが断然速い。 だから今、動く(廻る)のは地球(自分)のほうだよ! |
では、正しい月の見え方は、一日のうちではどんな具合になるのかな?
まず始めに、満月が見える晩のことを考えてみよう。
地球である自分が太陽を背にして立つ。
今は真夜中だね。太陽と時刻の関係を思い出そう。
さてここで、もうひとり友達に手伝ってもらって、彼に月の役をやってもらうことにする。
さっきも言ったように、太陽と月の位置を固定しておいて、自分(地球)だけを回転させて一日の様子を観察するためだよ!
この友達には「月」を持ってもらって、太陽を背にして立った自分(地球)の正面に立ってもらう。
太陽、自分、月、の順だ。
この時、自分の影に月が隠れてしまってはまずいね。それは「月食」という状態ということだからね。
月にちゃんと太陽の光が当たるように、友達には、ちょっと月を高くして持ってもらうとしよう。
太陽の明かりを浴びて、月の明るい面が完璧にこちらを向いている。
まんまるの満月だ。
よし、じゃあこの状態、月が満月のときの地球での一日の様子を見てみるよ。
自分は地球だ。赤道辺りに頭を北に向けて、仰向けに大の字になって寝そべっているんだと考えよう。
この前の一回目と同じだ。
満月が、寝そべった自分の目の前、つまり正面の空高くに見える。一回目の時と同じく、両手を横に伸ばしたまま、ゆっくり左に回って行くと…。
時刻の説明の時と同じだね。
ただし、いま月は、地球を挟んでいつも太陽と反対側にいるよ。
そうでなければ満月に見えないからね。
夜が更けて、満月は西の空に移動しながらだんだんと高度を下げてゆく。
朝6時。左手の東の地平線から太陽が顔を出すと同時に、右手の西の地平線に満月は沈んでゆく。
さらに廻ってゆくと、昼の12時には太陽が上空高く正面に見え、もっと廻って夕方6時には、今度は西の地平線に太陽が隠れるとともに東から月が見えてくる。
満月がね。
さらに、同じく自転軸の傾きのせいで、日本のように赤道からの緯度が高くなればなるほど(または反対に低くなればなるほど)、見かけ上の太陽の高度が低くなることになり、太陽の光が斜めからさすようになる。 |
【補足の補足:月の見える高さと傾き】 地球は太陽に対して、一日に一回左まわりに「自転」している。
さて、月に関してはどうなるかな? |